F1決勝レースのルールと見どころ
F1初心者も楽しめるF1講座第2回目は、決勝レースのルールと見どころについてです。F1好きの1児のママ・フェニックスA子(F1歴4年目)がお伝えします。
決勝レースは、予選できまった出走順序に沿って、一斉に20台のF1カーがスタートする白熱のレース。特にスタート直後は大混雑しているので、派手なクラッシュが起こることも?!
このページの目次
決勝レースの見どころはスタート直後
決勝レースといえば、全22台のF1マシンが一斉にスタートするシーンですよね。
決勝の中で最も見応えがある場面だと言い切れると思います!
F1は、最高時速350kmは出るマシン全22台が、同時にスタートして走り抜けるレースですが、道幅はせいぜい車3台分ちょいしかありません。
スタート直後は混雑するので、開始数秒のうちのポジション取りがとても重要になります。
<フェニックスA子のF1初心者講座:記事一覧>
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ポールポジションは誰?スタート位置は?
そこで効いてくるのがスタート位置。
決勝レースの出走順序は、予選の成績で決まります。予選で1位をとったドライバーはポールポジション(略してPP)と呼ばれる一番前のカーブ内側から出走。
当然ですが一番有利で、何事もなければトップで第一カーブに入れる位置です。
ただ、マシンの性能やスタート時のドライバーの腕もあるので、かならずしもPPだからといってそのまま1位で抜けれるわけではありませんが。
ギアを入れミスったとかで、PPから出走したのにスタート直後に亀走行して、追い抜かれたドライバーも過去にいましたしね・・w
予選でのペナルティやマシントラブルでピットレーンスタートの車も
決勝レースの出走順序は、予選での成績で決まりますが、予選で問題があったりペナルティを食らったりすると、ピットレーンと呼ばれる車庫側エリアから出発する場合もあります。
この場合、当然ながら事実上の最後尾に。
ピットレーンスタートでなくとも、予選で何かミスをしたり人に迷惑をかけたりすることで、「3グリッド降格」などのペナルティを食らうこともあります。
(1グリッドとは、マシン1台分の出走間隔のことね。3グリッド降格なら出走順序が3つ後ろに下がります。)
その場合は、予選のタイム計測の結果よりも後ろからスタートになることも。過去には、2015年のマクラーレン・ホンダが、決まり以上のパワーユニット交換のためのペナルティで、25グリッド分も降格したことがありました。
約20台しかいないのに、25グリッドも降格してどこに行くのかと笑い話になってましたねw
レースは世界中で!天候は?気温は?雨だと波乱の展開に
レースは世界中のサーキットで行われます。灼熱の赤道直下、シンガポールGPもあれば、西アジアのバーレーンGPも。
そんなとき、開催地によっては天候と温度が重要な要素になってきます。
暑い地域は夜間レース、タイヤとエンジンの温度管理が肝に
特に暑い地域では日中の走行は不可能なので、夕方から夜にかけてレースが行われるんです。
砂漠の国や東南アジア(シンガポール)はそうですね。
どちらも、都市型で夜景が綺麗なサーキットなので、そういう景色も楽しめますよ。
F1において温度はめちゃくちゃ重要な要素。
なぜかって、路面温度が上がるとタイヤが溶けるからです。
タイヤはゴムでできていて、新品ほど硬く分厚く、使い込むほど削れていきます。
路面温度が高いとそれだけ削れるのが早く、消耗してしまうわけです。その上、運転しづらくなってスリップしやすくなります。酷くなるとバースト(パンク)します。
他にもエンジン温度が上がりすぎないことも大切で、暑い地域でのレースを避けるのはPU(パワーユニット、つまりエンジン)が理由でもありますね。
タイヤとエンジンの温度管理、これはF1では大切な要素です。
雨が降るとタイヤが制限される、事故も起こりやすく危険
天候で最も問題なのは、言わずもがな雨です。
雨が降るとそれだけ路面が滑りやすくなり、スリップしやすくなります。
F1のマシンは非常にデリケートにできていて、とてもスリップしやすい車です。
F1のゲーム(PS4のF1 2018など)をやるとわかるのですが、ちょっとハンドル切っただけでギュイーーーンと回って、車体が後ろ向いてスピンしますw(冗談じゃなく)
普段からドライバーのテクはそれだけすごいのですが、雨が降るとちょっとしたハンドル操作やコーナーのハンドルさばきで横ぶれして制御が効かなくなるので、クラッシュが多発しやすく危険なレースになります。
事故を避けるため、雨が降ると使えるタイヤが雨用のタイヤになるというところもポイントですね。
(タイヤ戦略の話は、また別にすることにします)
アジア地域のレースではスコールが鍵に
特にアジア地域のレース(中国、マレーシアなど)では、夕方にスコールが降ることもあるので注意が必要。
F1のレースでは頻繁に天候の話が出てきて、レース開催中も雨雲レーダーを基にした雨の予測が行われてます。チームはそれを見ながら、タイヤ戦略を考えるというわけです。
ちなみに、雷も危険なので、夕立のせいでレースが中断になることもあります。天候の回復を待って再開するのですが、その間待ちぼうけするドライバーの様子が中継されることも。
レースのルールと見どころ①:コーナーの攻防
さて、いよいよレース走行中の見どころをご紹介しましょう。
レース中の見どころは、やっぱり追い抜き追い抜かれの攻防です。(後ろから追い抜くことを、オーバーテイクといいます)
オーバーテイクが行われやすい場所は2つ。「コーナー」と「DRSゾーン(ストレート)」。
コーナーは追い抜きポイント
コーナー(カーブ)は追い抜きポイントです。
カーブを曲がるためには、車は一度減速するのですが、その隙を狙って相手を追い抜くチャンスがあるというわけです。
後ろの車は、前の車より遅くブレーキを踏んで速度を保ったままカーブにつっこめば、それだけ前の車に詰め寄れるということですね。
当然、失敗したら大きく大回りをしてしまうリスクがあります。
コーナーは一つの賭けなんです。
カーブを曲がる時のルール
カーブの攻防はドライバーの性格が強く出るところで、危険を承知で高速で突っ込むのが好きなドライバーもいます。
ただし、危険な走行をするとペナルティを食らうことになるので注意が必要。
事故を防ぐため、またフェアなレースにするため、カーブを曲がる時にはルールがあるのです。
カーブでは、ドライバーは並んで走る車の進路を開けておく必要があります。たとえば外側からカーブに入ったドライバーのすぐ内側にもう一台いた場合、内側の車が曲がるだけのスペースは空けておかないといけないのです。
故意に外側にいたドライバーがカーブ内側に迫って来ると、内側にいた車は行き場がなくなってぶつかってしまいますからね。
カーブでのクラッシュはだいたい揉める
ただし、基本的には先にカーブに入った車に優先権があります。
なので、一番微妙なのが「どっちが先かわからないケース」や、「カーブ外側のドライバーが先に曲がり始めて、内側のドライバーが後から突っ込んで来るようなケース」でのクラッシュです。
だいたい、どっちが悪いの論争になりますw
他にも、進路の攻防で走行ラインを変更する場合、進路変更は何回までOKといったルールも設けられていたりします。
頻繁にルールが変わったり新ルールが追加されたりするので、解説の説明を聞いておくと良いでしょう。(私もあまり詳しくない・・・)
走行中にドライバー同士で問題があった場合、レースインシデントとして運営側で競技が行われ、数分後(あるいはレース終了後)に結果がアナウンスされます。
どっちか悪い方に、何秒ペナルティといったタイム加算が課されることが多いですね。
レースのルールと見どころ②!DRSゾーン(直線)
レース走行中のもう一つの見どころは、DRSゾーンと呼ばれる長い直線です。
DRS(Drag Reduction System)というのは、車の後方についているウィングの角度を変えて、車を加速させること。
長い直線でDRSゾーンと定められたエリアで、かつ一定の条件を満たす車だけが使えます。
DRSで加速できる一定の条件とは・・・
「前の車との差が1秒以内であること」
つまり、後ろから追っている車が前の車を追い抜くためのチャンスってことですね。
レースを面白くするために、こんなルールになっているんだと思われます。
前の車の後ろにつけてから、DRSで一気に抜く
自転車のレースなんかを見たことがある人ならわかると思いますが、前の車の真後ろは、空気抵抗が少なくなっているエリアです。
直線ストレートで前の車を抜く場合、まず一旦相手の真後ろにつけてから、一気にDRSを使ってハンドルを切って追い抜くというのがよくあるパターン。
元から早い車を持っているトップチーム(2018年時点ではメルセデス、フェラーリ、レッドブル)なんかは、これであっさりと他の車を抜くことができます。
(言い忘れましたが、各チームのマシンにはめちゃくちゃ性能差があります。メルセデス、フェラーリあたりは特に速く、同じ条件なら他のチームの車を難なく抜けます。レッドブルは条件によるかな・・・)
直線ゾーンは本来、マシンの性能だけがモノを言う無慈悲なエリアでもあります。
だからこそ、DRSという特別なルールが面白いのかもしれませんね。
まとめ
F1初心者向け講座第2回目は、決勝レースの見どころについて説明して見ました。
長くなりすぎてしまったので、今回はこの辺で、決勝レース第二弾に続きは回すことにします!w(つづく)
見どころたくさんの決勝レース、少しでも楽しんで見ていただければと思います。
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