F1決勝レースの見どころ【総括】
F1初心者講座第4回目は、初心にかえってレースを見るときの楽しみ方についてご紹介したいと思います。F1好きの1児のママ・フェニックスA子(F1歴4年目)がお伝えします。
結構長くなってしまいましたが、初心者講座1〜3を総括したまとめになっています。
このページの目次
F1決勝レースの見どころ【初心者でも楽しめる】
F1決勝レースは、日曜日に行なわれる規定の周回数を一斉に走るレースです。
前日に行なわれる予選の結果のとおりにスタートします。
レースが始まる前はドライバーの素顔や準備の状況が映ったり、その国のアーティストによる国歌斉唱があったりと、全体構成は豪華なものとなってます。
この記事ではそんな決勝レース全体について、初めて見る方にも楽しめるような見どころをご紹介していきます。
細かなレースのルールや戦略については、これまでの初心者講座でも詳しく解説してますのでご覧ください。
<フェニックスA子のF1初心者講座:記事一覧>
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時系列で紹介していきたいと思います。
スタート前の見どころ
ドライバーの顔が映る数少ない機会!
F1決勝レースのスタート前は、車が走る30分ちょい前から国際映像が始まっています。
この時間は、ヘルメットを脱いだドライバーの姿が見られる貴重な機会。
F1ドライバーはイケメンが多いことで有名。ぜひ彼らのルックスや、レースに向けた表情を見てみてください。
イケメンドライバーとして有名なキミ・ライコネン、チャールズ・ルクレール、ルイス・ハミルトンの3人は特に注目。
チャーミングなネタ系キャラクターで有名な、ダニエル・リカルドとランド・ノリスも素敵な笑顔や表情を見せてくれるのでオススメです。
車に乗る前に体をスプレーで冷却していたり、傘を掲げて座り込んでいるなど、リラックスしている姿も見れます。
開会式・国歌斉唱
開会式として行なわれる国歌斉唱。開催国の要人も参列することが多く、フォーマルな雰囲気で行なわれます。
国会を歌うのはその国の一般的なアーティストで、国家自体もポップにアレンジされていたりします。(この辺は国による)
また、ドライバーが一列に並んで国歌斉唱を聴くのですが、この時にちっとも聞いていないドライバーや、そわそわしている人、隣のドライバーと話してる人など実にさまざま。
注意して見ていると、性格が出ていて結構面白いですよ。
スターティンググリッド紹介〜フォーメーションラップ
スタートが近くなるとドライバーは車に乗り込みます。
国際映像ではスターティンググリッド紹介のムービーが流れます。ここでは最前列の二人(P1、P2)とその後ろの2列目(P3、P4)に注目。スタートの出来栄えによっては入れ替わる可能性もあるポジションです。
また、前日までのペナルティやマシンのパーツ交換によって、本来の位置より後ろからスタートするドライバーも居て、これは解説者が教えてくれます。
ここで最後方で「ピットレーンスタート」として紹介されるドライバーは、マシンのパーツ交換やペナルティによる制限で、皆と同じスタートラインではなく、ピットレーン(タイヤ交換するエリア)からみんなの後に出ていくことを指してます。
スタートで他車を追い抜くこともできないため、厳しいスタートとなるでしょう。
決勝レース中の見どころ
スタートから第1コーナー
個人的に、レースの一番の見どころがここ。
スタートはマシンのコントロールが難しく、成功と失敗があり、失敗してしまったドライバーは大きくスタートが遅れ追い抜かれることになります。
そして第1コーナーを抜けた後に並んでいる順番がなにより大事。これは最初のターンのほんの一瞬で決まります。
みんな1台でも他の車の前に出ようと混線必至。
コーナーでは「先に差し掛かったほうが優先」「イン側(内側)に車がいる場合、1台分のスペースを空けておかなければならない」というルールがあり、クラッシュが起こらないように配慮されています。
が、一斉にスタートするので大混雑し、これらのルールが守られない(守りたくても守れない)こともしばしば。
ぶつかったけれど「仕方がなかった」として、レーシングインシデント(ペナルティなし)」として処理されることも多いのがこのスタートです。
前後の車とのタイム差とDRSゾーン
レースが始まると気にしたいのが、推しのドライバーの前後とのタイム差です(ギャップと呼ばれます)。
F1レースでは、レース中の追い抜き(オーバーテイク)をしやすくするための「DRSシステム」というものがあります。
DRSゾーンである直線部分で前の車とのタイム差が1秒以内だと、DRSを使って加速して追い抜くチャンスが与えられるのです。
DRSというのは、車のリアウィング(後方上部にある横長の板)をパカっと開くことによって空気抵抗を少なくし、より速く走れるようにする仕組みです。
直線部分では後ろの車がこれを開いて、空気抵抗の少なくなる「前の車の真後ろ」につき、その後一気に追い抜きをしかけます。
前の車と1秒以内でDRSゾーンに差し掛かることがあれば、オーバーテイクの見どころです。
タイヤ交換(ピットイン)
レースの中で順位が入れ替わる重要な局面が、タイヤ交換のためのピットイン。
ピットイン+タイヤ交換をすると、およそ23秒〜25秒の時間をロスします。
ひとつは、チームが素早くタイヤ交換ができるか。平均的には3秒で、記録では2秒台が目安。たまにチームがミスをしてタイヤがうまくはめられず、もたもたして大幅にタイムロスしてしまうことも。
タイヤ交換をすると、一時的に順位が大きく下がります。
いずれ全車がタイヤ交換をしなければならないので、みなが同じくらいの時間でタイヤ交換をすれば、全体の順位はそう変わらないはずなのですが・・・
そう簡単ににはいかないのがF1レース。
タイヤ交換の結果、大きく順位が入れ替わってしまったなんてことは良くあります。
同チームの2人のピットイン順序
この様なタイヤ交換を、チームの2人のうちどっちのドライバーから入れるかが、チーム戦略の重要な鍵です。
基本的には「タイヤがすり減ってきたドライバーから順に交換する」のですが、戦略的な意味でそうでないことも。
ここは細かく説明すると状況によって全く異なるので、レースの解説を聞いているのが一番良いでしょう。
一般的には、2人のドライバーが同じタイヤで同じ減り具合だった場合、先にピットインしたほうが有利です。
しかし、前に邪魔な車がおらず快適に走れる場合は、あえてタイヤ交換を遅らせて粘ることもあります。
また他のチームのライバル車が後ろにいる場合、チームの1人が先にタイヤ交換をして速く走れるようにし、その間もう一台はケツでライバルを抑え続けるといったおとり戦略をとることも。
最初は見ていてもなかなか分かりづらいので、タイヤ交換があった場合「とりあえず23秒くらい下がるな」ということと、「どこに戻ってくるか」をみておくといいと思います。
チームラジオ
チームラジオはレースの楽しみの1つ。チームの指示とドライバーの言い分を聞くことができます。
レース全体を見ることができるチーム側と、車の感触を肌で感じているドライバーが通信する大切な部分です。
でもまあ、大半はレースで不運なことがあったときの「吐き出し先」に使われていたりもします(笑)
ぶつかり合った後に「*****!!(放送禁止用語)」といったチームラジオが流れるのは日常茶飯事。
レース中のドライバーはアドレナリンが出ているので危ないです。
シーズンオフには放送で「面白チームラジオ」特集が組まれることも。キミ・ライコネンはラジオの会話がぶっきらぼうすぎて面白いことで有名。
「LEAVE ME ALONE!!(ほっといてくれ!)」など数々の名言を生み出してます。(戦略を取るためのチームラジオなのに、ほっといてくれとは・・)
オーバーテイク(追い抜き)シーン
DRSのところでも少し書きましたが、追い抜きシーンは見どころ。DRSの使える直線ゾーンや、広めのカーブが追い抜きポイントです。
カーブでの追い抜きは、イン側(内側)からいくかアウト側(外側)からいくかの2択。
イン側は先に入った車が閉めてしまうことが多いので、多いのはアウト側から力技で抜くことでしょうか?でもマシンパワーやコーナーのスピードに物を言わせる必要があるので、簡単ではありません。連続カーブのS字を使って、相手が膨らんだ隙にうまいこと内側をすり抜けていくドライバーもいます。
カーブについては、基本的には「相手のミスをついて前に出る」ことが多いでしょう。レースが緊迫した場面になると、後ろからプレッシャーをかけ続けるのはこのためです。
前のドライバーは後ろのドライバーにすり抜けられない様に、バックミラーを確認しながらブロックするコース取りをしようとます。そんな状況を続けると、そのうちミスをしてしまうことも。
ハミルトンのように、どんなに圧力をかけてもほとんどミスしないドライバーもいます。そしてフェルスタッペンのように、後ろから追い抜くほうがうまいドライバーもいます。
ゴール〜レース後の見どころ
チェッカーフラッグ(ゴール)
レースを走り切ったらチェッカーフラッグが振られます。F1レースでは、最終周になるとほとんど順位が決まってしまいます。(直前の追い抜きは、タイムがよほど近くない限りはほぼみられない)
チェッカーフラッグが振られる時には、チームクルーたちがフェンスから身を乗り出して、帰ってきたドライバーを出迎えています。
普段以上の結果だと、「LANCE P4」といったボードを掲げてチーム全員が大騒ぎしていることも。
感動の瞬間です。
レース後インタビュー〜表彰台
レースが終わった後は、大勢のチームクルーやメディア、そしてファンが集まる場所に車を停めて、ドライバーが降りてきます。P1をとったドライバーがチームクルーにダイブして喜びを分かち合う場面です。
インタビューではP1〜P3のドライバーがレースの感想を伝えてくれます。P1のドライバーは喜びを語る反面で、P2やP3のドライバーは不満や納得いかないことを抱えている場合も多く、インタビューで何を言うかは結構面白い部分ですね。
インタビュアーは元F1レーサーが勤めることもあり、レースの痛い部分を敢えてついてくれたりもします。
表彰台には、P1〜P3のドライバーと、P1をとったチームの代表者(チーム代表とは限らない)が登壇します。HONDAの田辺さんが上がったこともありましたね
ドライバーやチームのみなさんの表情をお楽しみ下さい。
決勝レースの見どころを、時系列順にまとめてみました。
細かい部分をついていくと沼が深いF1ですが、気軽に楽しめる部分も多いので、まずは分かりやすい部分から楽しんでいただけると良いかと思います。
<フェニックスA子のF1初心者講座:記事一覧>
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