【F1感想】追い抜けないシンガポールGP、タイヤ選択と交換が鍵に
2018年F1シンガポールGP、夜景と光る車体が美しいナイトレース。前回のイタリアGPが熱いれレースだったのとは裏腹に、今回は大人しいレースとなりました。
PPで出発したハミルトンが、そのまま最後まで独壇場で優勝。2位は今回は予選から速かったフェルスタッペン、3位はベッテルと、3色そろった妥当な表彰台となりましたね。
フェラーリは毎度戦略の点で批判が出ていますけど・・・今回の感想です。
今回はあまり面白いこともなかったので、主にタイヤ交換について経過をメモしてます。
このページの目次
スタート早々のイエローフラッグ&セーフティカー
シンガポールGPの予選は、ハイパーソフトを履いたハミルトンがポールポジションに。去年と比べて3秒近くも速いという驚異的なタイムでした。
決勝スタートは、1列目がハミルトン&フェルスタッペン。
今回の狭いコースで、強引に抜きにかかるタイプのフェルスタッペンが先頭でハミルトンと並んでいることに、心配の声も上がっていました。
オコン&ペレスの同士討ち
しかし結果的にスタートでクラッシュしたのは、後方のオコン&ペレスのフォースインディア組・・・。しかも、同士討ち。
ペレスがオコンに突っ込んだ形で、チームラジオではペレスの悲しげな謝罪(と言い訳?)の声が流れていました。
ペレスの言い訳大会
— フェニックスA子@F1観ようぜ (@phoenix_ako) 2018年9月16日
ペレスが急に外に膨らんで、オコンを弾き飛ばしたように見えましたけどね。後方で揉まれてたから、一生懸命で気づかなかったのかな?
車を降りたオコンは、爽やかに笑いながらもマイクに向かって「何が起きたかわかるでしょ?」って。ちょっと怖かった・・w
インディア同士討ちの件は、結局レーシングアクシデントで片付けれられました。
そこからしばらくセーフティカーで退屈なラップが続きます。
今回のポイントはタイヤの種類(ハイパーソフト)
6週目からレース再開。いつの間にかフェルスタッペンが抜かれて、ハミルトン、ベッテル、フェルスタッペンの順番になっちゃってました。
今回のレースの見所は、早くて削れやすいハイパーソフトタイヤをどう使うか?何回ピットインするか?ということらしいです。
最も柔くて速いタイヤであるハイパーソフトで、走れるのはだいたい20周〜程度。
レースは全60周なのでハイパーソフトで早く走れる時間は一部のみで、ハイパーソフトでタイムを稼いだとしても、結局タイヤ交換で24秒くらい使ってしまうということですね。
グロージャンは、試合後に次のようなコメントを残してます。
I think it was a frustrating race for everyone who qualified between 7th and 10th on the hypersofts. It was such a poor tire in the race. We did 10 laps and they completely went It’s almost better not to qualify in the top-10. #R8G #F1 #SingaporeGP pic.twitter.com/SrdHCmPRii
— Romain Grosjean (@RGrosjean) 2018年9月17日
ハイパーソフトを履いた予選7〜10位のみんなにとってはフラストレーションのたまるレースだったと思う。このレースにおいては実にプアなタイヤで、我々は10周で使い切ってしまった。これなら予選でトップ10に入らない方がマシだったね。
追い抜きづらいコースで淡々としたレース
今回のシンガポールGPは、市街地サーキット。公道を使ったレースのため、直角コーナー(交差点なのかな?)がたくさんあり、道路幅も狭いです。
縁石がなく、道路脇には直接フェンスが立っているコースですね。
現地で見ている人は、グランドスタンド以外はあまり良い視界は得られないんじゃないでしょうか・・?
追い抜きづらいコースなので順位も変わらず、トップ勢は淡々とタイムアタックが続きます。
運命のタイヤ交換(1回目)
先に交換したのはベッテルでした。タイヤは2番目に柔らかいウルトラソフトを選択。
その後ハミルトンが続き、ベッテルよりも持ちの長いソフトタイヤに。
さらにボッタスが続き同じくソフトタイヤ?に換え、ライコネンは急遽ピットインを保留。
フェルスタッペンもソフトタイヤにチェンジ。リカルドもまだ保留です。
ウルトラソフト or ソフトタイヤ?
1回目でウルトラソフトに変えると最後まで持たないので、ピットストップは合計3回ということになります。
(実際にどうするかは戦略次第ですが、一般的にはそういうことのようです。)
この時点で、ウルトラソフトに換えたフェラーリのベッテルは、ピットストップをあと2回(合計3回)しなければならないことに。
一方で、ソフトタイヤに換えたメルセデス勢は、最後まで走りきることができる。
ピットイン1回で24秒を失ってしまうので、ここでフェラーリとメルセデスの戦略が大きく別れてしまいました。
フェラーリのライコネンが、メルセデスの動きを見て急ぎピットインを中止(様子見)したのは、戦略的判断なのでしょう。
後出しジャンケン(ライバルの後にタイヤ交換)をしたほうが勝つケースですね。
フェルスタッペン「Yes!!!」ベッテルの前に
ところで、このピットイン1回目の混乱に紛れて、ベッテルの前にフェルスタッペンが出ました。
ピットインのタイミングは重要な戦略で、失敗すると邪魔なやつに引っかかったり、ライバルの後ろ(あるいは前)に出てしまうことがあります。
今回はフェラーリの戦略ミス(?)により、フェルスタッペンとの順位が入れ替わってしまうという結果に。
ライコネン23周目でソフトに交換
ピットイン1回目でウルトラソフトに換えてしまったベッテルに対して、ライコネンは23周までひっぱってソフトタイヤにチェンジ。
これで最後までいけるでしょう。
ウルトラソフトに換えたベッテルは、他のライバル(ハミルトンやフェルスタッペン)と同じくらいのラップタイムとのこと・・・。
早く走れないのなら、持ちの悪い柔いタイヤに換えたのは何のためだということになりますよね;;
前のフェルスタッペンに詰まっているのか、(フェルスタッペンに)レースペースをコントロールされているのかは、わかりませんが。
雨がパラつくも、あまり降らず(25周目)
タイヤ交換をまだ行なっていないリカルドと、9番目あたりにいるガスリー。
ともにハイパーソフトで、もうタイヤはガタガタです。
そんな中雨がパラつき、これ以上降ればリカルドの一人勝ちか?!との声も聞こえましたが、結局、雨はそんなに降らなかったですね。
リカルドは28周までひっぱってウルトラソフトに、ガスリーもウルトラソフトに換えました。この2台はこのまま最後までいくんでしょうか。
パッとしない中団グループ
今回は順位があまり変わらないため、退屈気味なレースですが、それはトップ3チームだけでなく中団グループも同じようです。
シロトキンvsペレス
後方では、ウィリアムズのシロトキンに詰まったペレスが「あいつ遅くて邪魔なんだけど」と文句を言っています(笑)
これって、普通に争っているだけ(片方が周回遅れなわけでもない)ので、文句を言っても仕方がない気がしますがwwww
その後、イラついて前のシロトキンにぶつかってました・・・(チーン)
シンガポールGPは狭くてストレートも短く、勝負をかけられないせいか、前に遅い車がいると邪魔になってしまうみたいですね。
トロロッソ・ホンダ
今回はハイパーソフトでスタートしたトロロッソ・ホンダの二人、ガスリーとハートレー。
レース中盤32周あたりでは、二人揃って後方グループで苦戦してます。
ガスリーの調子が上がらず、レース中盤でハートレーの方が前になったようです。
マクラーレン
中団グループの中で、ひときわ輝いていたのが今回のアロンソ。入賞圏内でラップタイムを更新したりとテクニックを見せつけてました。
相方のバンドーンも今回は問題なく中盤を走れてまます。(最後方じゃないよやったね!というテンションになってしまうのが悲しい・・)
トップ3チームが周回遅れに追いつきはじめる
ちなみに中団グループが苦しんでいる間、トップ3チームは淡々と列をなして走っています。
38周目でついにハミルトン&フェルスタッペンが、周回遅れの中の一団、シロトキンたちに追いつくことに。
ハミルトンが軽やか(強引に)に周回遅れを追い抜き、フェルスタッペンはちょっとひっかかってしまいました。
フェルスタッペン「ハミルトンまじクレイジーだわ(意訳)」
シロトキンとペレスはまだ同じ位置で喧嘩をしているようです。
ペレスは先ほどのクラッシュでペナルティを食らったようで、「ピットレーンをドライブスルー」してます。(こういうペナルティも、あるんですね)
トップ集団のペースはハミルトン次第
レッドブルの2台(リカルドとフェルスタッペン)が速いような気がしますが、ハミルトンがもっと速いので霞んでます。
48周を過ぎると、ベッテルはタイヤがへたれたのかペースが怪しい感じに。1回目で換えたウルトラソフトのまま最後まで行く予定みたいです。
しかしまあ、追い抜きがあるわけでもなく列になって走っているだけなので、見てる方も眠くなってきます(笑)
ハミルトンは本気出すともっと早く走れるようで、たまーに本気出します。後ろのフェルスタッペンを適当に離しながら適当に走っている様子。
4位のボッタスが周回遅れのヒュルケンベルグにひっかかって、珍しくイライラ。後ろからライコネンに追い立てられて焦っているんでしょうか。
イタリアGPの仕返しですねw
結局、二人ともへたれたタイヤで大した勝負もできず。
レースはそのまま最後までだらっと進み、順位を変えずにフィニッシュしました。
最終結果:ハミルトン>フェルスタッペン>ベッテル
レースの順位は次の通り。
- ハミルトン
- フェルスタッペン
- ベッテル
ベッテルは結局、1回目のピットインでフェルスタッペンに前に出られてしまったまま、最後までそのままでした。
トップ3チーム以降の中団グループも、7位を走るアロンソ以下特に大きな変化もなく。
トロロッソ・ホンダの2台は、ガスリー選手が13位、ハートレー選手が17位と悔しい結果に。
そしてレース全体を通すと、セーフティカーではじまり、大きな変化もなく終わるという静かなレースでした。
途中、ライコネンを写して退屈な場を繋ごうという中継画面に笑いが出たり。
シンガポールGPは日本からも行きやすく、多くの人が現地に行っているようでした。来年は私も行ってみたいけれど、このコース面白いのかな?w
次回はロシアGPです。9月28日〜30日。
[dazn2]