【レビュー】F1の厳しさを学ぶドキュメンタリー「グランプリ・ドライバー」(Amazonプライム)
Amazonプライムオリジナル番組のF1ドキュメンタリー(実録番組)、「グランプリ・ドライバー」を観ました。
これまでになかったF1のリアルを描いたもので、レースだけでは決してわからない、レースというものの真の姿を見ることができます。
このページの目次
2017年のマクラーレンを追うF1ドキュメンタリー
Amazonプライムビデオで見ることができるF1ドキュメンタリー、「グランプリ・ドライバー」は、F1の舞台をチームとドライバーを通して描いた実録ドラマです。
題材となっているのは、2017年のマクラーレンと、F1ルーキーだったストフェル・バンドーン、そしてフェルナンド・アロンソ。
Amazonプライムの会員になって観れる映画やドラマの中の1つなので、見るためにはAmazonプライムへの登録が必要です。(月額500円)
歴史あるマクラーレン、そしてアロンソとバンドーン
【イラスト】F1観ようぜの初心者講座用に書いたアロンソとバンドーン
このドキュメンタリーで取り上げられているのは、2017年前後のマクラーレンと当時のドライバーであるアロンソとバンドーンです。
マクラーレンはF1の歴史の中で最も成功したチームの一つ。その工場には歴代の名だたるF1マシン、そしてマシンはニキ・ラウダやアイルトン・セナなど英雄ドライバーの名が連なっています。
番組ではそんなマクラーレンが、2人のドライバーとともにF1という舞台で戦う姿が描かれます。
F1のチームのリアル
Formura 1は名前から分かる通り自動車レースの最高峰です。そこに上り詰めるためには、チームやドライバーは並みの努力や運、そして金では足りません。
番組はそんなマクラーレンに新人として参加するストフェル・バンドーンの視点で進められます。
チームを率いる存在の交代
マクラーレンは、2015年にメルセデスのエンジンから日本のホンダ製エンジンに乗り換えました。
そして2016年には、ワンマン政治で有名であったチームの会長兼CEO、ロン・デニスが、株主総会の総意により辞任。
それまではデニスの意向で決められていたあらゆることが、ここから変わっていきます。
ブランドイメージ、マシンのカラーリング、そしてドライバーに求められる資質。
2017年から、マクラーレンが新生マクラーレンとして生まれ変わろうする姿が番組では実録されています。
そんな中、新しいマクラーレンを象徴するドライバーとして期待を背負わされたバンドーンもまた、大きな流れに飲まれていきます。
チームにとって若手とはどんな存在か
印象に残った言葉をご紹介。
「ハミルトンやアロンソはツンケンしていて少し派手だ。一方でF1の若手ドライバーは、派手な印象を持たれないよう振る舞いには常に気を使っている」
その理由はなんなのか?
それは番組のエピソード1で語られています。
きっと、今のマクラーレンに乗る若きランド・ノリスもまた、当時のバンドーンと同じような境遇にいるのでしょう。
F1の厳しい現実
F1というスポーツはサーキットの上で車を走らせているだけのように見えますが、レースに関わる人の数や金、ロゴが象徴する企業や車、その車を作る人、売る人・・・
すべてを含めると、その規模はあらゆるスポーツの中でも最高峰でしょう。
その最前列で車(F1マシン)に乗っているのがF1ドライバーです。
ドライバーが最も華やかで一番上に見えますが、番組を見るとそうではないことがわかります。
彼らは車に関わるすべてのピラミッドの一番上ではなく一番外側の「顔」です。
映画で言えば主演男優でしょうか。
とにかくF1チームという巨大なパーツの一部であり、下手すると一番先に剥がれて壊れる外装に私には見えました。
実際にあなたがどう感じるかは、直接見て感じてみてください。
「ホンダ」ばかりがドラマではない
マクラーレンというチームについては、2015年にホンダエンジンが搭載されてからというもの、そのことばかりが日本では大きな話題となりました。
今のレッドブル・ホンダとトロロッソ・ホンダでの勝利の礎とも言える、苦しい時代がありました。
ホンダが好きなばかりに、マクラーレンやチームの一部であるドライバーに様々な感情をぶつける人もいました。
でもそのホンダですら、マクラーレンという1チームから見ると1つのパーツだということが分かる番組でした。
この番組「グランプリ・ドライバー」を見れば、少し主観的な見方を捨てて、F1というものを客観的に見ることができるようになるでしょう。
アロンソやバンドーンについても、「文句が多かった」とか、「そんな人もいたな」とか。「遅かったわー」といった、端的な見方では終わらなくなると思います。
次から見るレースがもっと面白くなるし、チームについても知りたくなるでしょう。
視聴はこちらから。